今回は放デイにおける「安全計画」の策定について見ていきます。
安全計画は令和6年度4月1日から策定することが義務化されています。
またこの安全計画は新たな年度が始まる前には内容を見直し、必要であれば変更することが求められていますので、一度作って終わりではなく、毎年チェックを入れるよう計画をしましょう。
放デイにおいて「子どもの安全」は何よりも優先すべき事項です。
安全計画を具体的かつ、実行可能な内容にして取り組んでいけると良いなと思います。
それでは見ていきましょう。
安全計画とは?
子ども家庭庁より計画例が出ていますのでご確認ください。
別添資料3 事業所安全計画例(PDF)
また実際の記載例は⬇️通知内ガイドラインのP37~P40で示されています。
【通知】障害児支援における安全管理について(PDF )
安全計画例では項目として大きく5つに分けて示されています。
①安全点検
②児童・保護者に対する安全指導等
③訓練・研修
④再発防止策の徹底(ヒヤリ・ハット事例の収集・分析及び対策とその共有の方法等)
⑤その他の安全確保に向けた取組(地域住民や地域の関係者と連携した取組、登降園管理システムを活用した安全管理等)
①安全点検の項目では、月毎での重点点検箇所を年間でスケジュールを立てるようになっています。
また関連する各種マニュアルの策定時期、見直し時期、保管場所を記載する表があります。
②は実際の利用者、保護者への安全指導等に関しての内容です。
実際には子ども達への安全指導がメインになりますので、避難訓練や消化器訓練、公園遊びや、交通ルールに関しての指導等を「いつ実施するのか」の時期を明確にして計画します。
保護者へは「説明・共有」という欄になっていますので、事業所で取り組む安全指導や各種訓練の内容を周知することを計画の中に入れていきます。
③は訓練、研修に関しての内容ですので、避難訓練や救急対応、送迎車での事故発生時対応など、万が一の事故が発生した際の職員の動きを確認するという目的で計画を立てます。
④はヒヤリハットに関しての内容です。
「1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故と300件の怪我に至らない事故がある」
という言葉の通り、重大な事故を起こさないためにも、いかにヒヤリハットを収集し、対応策を協議できるかが最も大切なポイントとなります。
ヒヤリハットの記録媒体を作成し、支援者は1日1つでも記入するという習慣を身につけられると良いかと思います。
⑤に関しては事業所独自で取り組んでいるものや、地域との連携に関して記載します。
ガイドラインから見る「想定される事故発生場面」
子ども家庭庁から出されている『障害児支援における安全管理に関するガイドライン』に記載されている想定される事故発生場面17項目について簡単に抑えておきます。
ア:所在確認・見守り・人数確認 イ:転倒・落下 ウ:危険物 エ:環境・衛生 オ:薬対応・医療的ケア | カ:送迎 キ:出入り口の安全 ク:療育・活動 ケ:散歩と外遊び コ:プール活動・水遊び中・熱中症 |
サ:誤嚥(玩具、小物、薬品等) シ:食事・おやつ・歯磨き ス:食物アレルギー セ:睡眠中 ソ:入浴中 | タ:感染症等についての予防・対応 チ:災害時の対応 |
上記項目に関しては
確認の頻度を明確にしておくと良いかと思います。
例えば、玩具であれば毎日確認なのか、曜日を決めてルーティーンで確認なのか。
いつも行く外遊びの公園であれば月に1度の確認で良いのか。
随時・毎日・毎月・半年等それらを確認する頻度を明確にしてチェックリストを作成すると良いかと思います。
詳細はガイドライン⬇️(P10〜)を確認ください。
【通知】障害児支援における安全管理について(PDF )
その他 参考資料
こども家庭庁から示されているその他の参考資料についてリンクを貼っておきます。
以下も参考になさってください。
別添資料4 事業所等が行う児童の安全確保に関する取組と実施時期例(PDF)
こどものバス送迎・安全徹底マニュアル(PDF)
毎日使えるチェックシート(PDF)
送迎業務モデル例(PDF)
まとめ
「安全計画」についてまとめました。
当然ですが、この安全計画に関連するように「送迎マニュアル」や「救急対応時マニュアル」「災害時マニュアル」等が存在しています。
それぞれのマニュアルがしっかりと意味を持てるように
「年間で計画を立てて子どもの安全を守りましょう」というのが安全計画策定の趣旨かと思いますので、計画通りに出来たこと、出来なかったことをしっかりと振り返って子どもの安全を守っていきましょう。
事故を発生させないことが何よりも重要ですが、それでも事故は起きてしまうものだと思います。
万が一事故が発生した際には、手順に沿って正しく対応するということが何よりも大切です。
事故が起きた際、その後の対応次第で命が助かるか助からないかを分けることになります。
少しでも迷いがある場合は躊躇なく119番、110番通報する方が良いでしょう。
また事故が起きた際にはまずは支援者が落ち着いて対応することが求められます。
そのためにも、事故発生時の対応フローチャートを作成し、気が動転しそうな際にはまず流れを確認できるようにしておくことが望ましいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。