放デイ地域連携実践例「野菜販売」

今回は、実際に取り入れたことのあるプログラムを紹介します。

その名も「お野菜販売体験活動🥦」

この記事では取り組みの概要から、実施の際の工夫、地域連携の大切さなどを紹介していきます。

目次

お野菜販売体験活動とは?

プログラムの概要としては、同じ地域の中にある八百屋さんに事業所の前まで野菜を持ってきてもらい、そこで子ども達と一緒に販売をさせてもらうというものです。

当日のタイムスケジュールとしては以下の通り

14:00・・・お野菜搬入
15:30・・・販売開始 (2班に分かれる) ①店内班 ②お客さんの呼び込み班
16:00・・・①と②の班交代
16:30・・・一旦区切って終了。集中が続く子はそのまま店番
17:00・・・終了  残ったお野菜の搬出

「搬入」「搬出」「持ってくる野菜のチョイス」は八百屋さんにお任せなので、放デイとしてすることは、1時間半の販売活動のフォローのみになります。(もちろんチラシ作成などの諸準備は必要ですが)

店内班ではレジ係もしてもらいます。値段表を見ながら、電卓を使ってお会計をするのも子ども達に任せながら取り組みます。

野菜販売プログラムの目的

このプログラムの実施目的として

①社会体験活動の場の提供
②地域との顔の見える繋がり作り

ということを設定しています。

①社会体験活動の場の提供
 ・野菜の名前や種類を知る
 ・それぞれ値段が違うことを知る
 ・電卓の使い方を知る
 ・初めましてのお客さんと関わる
 ・お金のやり取りの流れを知る

と書ききれないほどたくさんの知識やスキルを身につけられます。
この活動の一番いい点は、実体験を伴う活動ということです。

この体験から気づいたことや身につけたスキルは、日常生活においても自然と生かせるようになります。
お母さんとお買い物に行った際に「あ!この野菜、前のお野菜屋さんの時に売ったやつや!」「値段は僕が計算してあげるわ」など、日々の生活の中でも発揮したくなる力になります。

②地域との顔が見える繋がり作り
 ・放課後等デイというサービスを知ってもらう
 ・個性豊かな子ども達と関わってもらう
 ・障害福祉の事業所として地域に存在を知ってもらう

ということを意識しています。「障害理解のための活動!」なんていうと大それていますが、理解のスタートは関わることからだと思います。
「僕が先にカゴ渡したかったー!!」と大声でなく子がいたり、「レジ係代わりたくない!」と怒り出す子がいたりしますが、そんなことも見てもらいながら、支援者がどう関わっているかも地域のお客さんに知ってもらえるいい機会だなと思います。

実施までの経緯

経緯としては、「お店やさんごっこを発展させたい」という思いからでした。
最初は書いた絵をTシャツにしたり、バッジを作ったりして売ろうかと考えていましたが、それをするにしても労力がかかるなーと諦めてしまいました。
実際に絵を展示したり、カレンダーにして販売したりしている放デイもありますが😂(すごーい!)

そんな折にたまたま八百屋さんと繋がり、「移動販売の場所を探してるんです」ということだったので、話がうまく進んだのでした。
1回目の販売活動では、八百屋さんのスタッフさんにも来てもらい売り方などを教えてもらい、2回目からは販売は全て子どもと放デイスタッフのみで取り組みました。(2ヶ月に1度のペースで実施しています。)

実施の際の工夫ポイント

一番大事なポイントは
「しっかり子どもに任せる」
というところです。
お客さんが野菜を選んでいる際に「これおすすめですよ」と押し売りのように接客する子がいたり、レジでの計算も3回くらいやり直す子がいたりします。

支援者としては、「あーそんなにガツガツ行かないでー」とか「お客さんも待ってるしなんだか手伝ってあげたい」という状況ですが、見守ってしっかり任せます。
案外お客さんも待ってくれますし、可愛い子ども達が頑張っている姿に「元気がもらえる」と言ってもらうこともあります。
経験を積み成長する姿を見ると「あー待ってよかったな」と思える瞬間がやってきます。

もう一つのポイントとしては
「枠組みはしっかり作ってあげる」
ということです。
グループ分けや、お客さんの導線、休憩と交代の時間など子ども達がスムーズに活動に入れるように環境設定には十分に取り組みます。
その枠組みの中で子どもに任せるので、大きなトラブルや事故の防止になります。
学びのある時間にするためには、この枠組みがとても大切になってきます。

地域連携の大切さ

地域の中にある八百屋さんとの連携ですが、この横の繋がりがとても大事です。
放課後等デイだけでは活動の幅や関わる大人の数は限られてしまいます。
「支援者スキル」と「地域資源」を掛け合わせることで、より多くの学びや成長を子ども達に作ってあげられるようになります。

繋がりは繋がりを生みます。
放課後等デイとしてたくさんの繋がりを持つこと。
そしてその繋がりを活動に活かすことが出来れば支援の質が向上されていくでしょう。

まとめ

今回は地域連携でのプログラムを紹介しました。
プログラム特化型ではない事業所だからこそ出来る取り組みなのかなと思います。
(特化型でもできなくはないとは思います!)
放デイは事業所ごとにカラーが出るのですが
「地域と繋がり活動を生み出す」
という事も大事に考えて運営をするのも強みになるかなと思います。

1事業所だけでは出来ない事も、繋がることで「出来る事」になる可能性があります。
繋がりを探している地域の中の場所も実は多かったりすると思うので、ぜひ自治会のお祭りに参加したり、公民館の講座に顔を出したりしてみるのもいいかもしれませんね😊

最後までお読みいただきありがとうございました!!

こちらの記事もどうぞ→放デイプログラム実践例「子ども実行委員会」

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よろしければシェアお願いします!

この記事を書いた人

初めまして!
放課後等デイサービスで約3年間児発管をしていました。
現在は兵庫県阪神地区を拠点に研修講師等の活動をしています。
児発管業務の一助になる内容や、遊びのアイデア、支援の工夫などなど発信していきますのでどうぞよろしくお願いいたします!
より良い支援が提供できるよう一緒に考えていきたいと思っております。

目次