放デイプログラム実践例「子ども実行委員会」

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今回は放デイでのプログラム実践の例を紹介します。
紹介するのは
「子ども実行委員会」
についてのプログラムです。
この記事では取り組みの概要から、プログラムの目的、工夫するポイントなどを紹介していきます。

目次

子ども実行委員会とは?

名前の通り、行事の企画・実行を子ども達主体で取り組むという物です。
取り組む行事としては「夏祭り」と「クリスマス会」などの季節行事です。

実行委員募集のチラシをフロア内に掲示し立候補制で実行委員さんを集めます。
募集から当日までの流れはざっくりと以下の通り

実施40日前 〜 実行委員募集開始
  30日前 〜 実行委員会始動
  15日前 〜 買い出し・準備
   5日前 〜 室内装飾
  行事当日 〜 実施・進行・片付け・表彰

大事にするポイントとしては「立候補制」にするということです。
こちらからお願いをしてやってもらった場合、準備の途中で気持ちが切れてきた際に

「〇〇先生がやれって言ったからやっただけやもん!」
と言われてしまいます。とにかく、「主体的な参加」を促します。

夏祭りの実行委員であれば以下のようなことが取り組む内容です。

・出店の内容決め
・出店の準備
・買い出し
・保護者さんへの招待状の作成
・当日のプログラム進行
・最後の片付け

子ども実行委員会の目的

このプログラムの実施目的として

①役割意識を醸成する
②最後までやり遂げる達成感を味わう
③複数人での「相談」の仕方を学ぶ

ということを設定しています。

①役割意識の醸成

実行委員会が開かれるのは毎日設定している「自由遊び」の時間です。
自由遊びは子どもにとってとても貴重な時間です。
役割意識がまだ育っていない状況では
「えー、もう委員会なん。まだ遊んでいたいのに!」という声が聞かれます。

これが段々と意識が強まってくると
「あ、委員会やわ。もう忙しいなー。行ってくるわ」
という言葉に変わってきます。
こうなればこっちのもので、時間さえ設定してあげれば子ども達自身で集まれるようになってきます。

子ども達が主体的に取り組むことで
「自分たちで考えられる楽しさ」
「大人(支援者)に任せてもらえる喜び」

を感じてもらえるように心がけます。

②最後までやり遂げる達成感を味わう

達成感を感じられるように、行事が終わり片付けをした後に表彰式をします。
一人一人に表彰状を渡して、ささやかですがプレゼント(文具やおもしろグッズなど)を渡します。

これが成功報酬として感じやすい成果になるのですが、もう一つ実行委員さんにとっての大きな喜びは
「招待したお客さんが楽しんでくれること」です。

「1円玉落とし人気あったよな!」
「ヨーヨー釣りも人いっぱいで忙しかったわ!」
と自分たちで考えたもので楽しんでもらえると、大きな達成感に繋がります。

③複数人での「相談」の仕方を学ぶ

大事なことは
「みんなの同意のもと『決め方』を決める」こと
です。

準備段階では「相談」の時間が多くなります。
「どんな行事にするのか」
「お土産はありにするのか」
「スタンプカードは作るのか」
「誰が何を担当するのか」
と決めなければいけない事がたくさんあります。

みんなで物事を決める能力はとても大事なソーシャルスキルです。
意見を一つに決める際には・ジャンケンにするのか・投票にするのか、どうやって決めるかという
『決め方』は同意をとってから始める事が大切です。

多数決で決めてもいいのですが、少数派の意見を潰してしまわないように、なるべく折衷案を提案しながら進めるようにします。

実施の際の工夫ポイント

大事なポイントは
「子どもそれぞれの参加の形を認める」という事です。

行事当日までに委員会の開催が計20回ほどはあります。
中には途中で
「やりたくない」とか
「今日は疲れているから嫌だ」とか
色んな状況が出てきますが、委員会を休む際には
「理由を伝えてから休む」というようにします。

「頑張ってやりなさい」
ではなく
「出来ない時は言ってね」
というように伝えると、継続して参加ができることが増えていきます。

もう一つのポイントとしては
「枠組みはしっかり作ってあげる」
ということです。
これはお野菜販売のプログラム紹介でも書いた通りです。
子ども主体と言っても、全てを丸投げ!子ども任せ!にしてしまうと収拾がつかなくなってしまいます。
子ども達の話し合いの中で
「このままだと物凄い険しい道に進むぞ!」
という時には上手に方向修正をしてあげるようにします。

まとめ

今回は季節行事での実行委員会プログラムを紹介しました。
事業所の特徴によっては取り組みづらい部分もあるかと思いますが、
「子どもが主になって実施するプログラムを作る」
という観点で、工夫ができるのではないかなと思います。

・3時のおやつは子どもが発注する
・事業所でのルールを子ども達で決める

など、取り組みとしては幅広くできます。
もちろん「枠組み作り」は大前提です!

放デイという発達支援の場として、
「社会に出た時に必要な力」
を少しずつでも練習できるといいですね😊

ありがとうございました!!

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