今回は放デイでの連絡帳の書き方について考えていきます。
大事なポイントは
・何のために書くのか
・何を書くのか
について職員間で共通の理解を持つことです。
それでは見ていきましょう。
連絡帳の目的
連絡帳を書く目的は以下の4つの事柄が大きなものであると考えます。
・日々の様子の共有
・発達課題に対する支援内容の共有
・課題の早期発見
・保護者との信頼関係の構築
この目的を職員間で理解しているかどうかがとても重要です。
それぞれの項目について連絡帳記載のポイントを見ていきましょう。
- ・日々の様子の共有
-
来所から退所までの大まかな児童の動きについて記載します。
事業所内の様子は、親御さんにとっては本当に想像しづらいものです。利用が始まった後に親御さんが支援の様子を見に来られる機会を定期的に作ると良いかと思います。
どれだけ丁寧に様子を書いていても、子どもが過ごしている様子を実際に見ていないと文章だけでイメージを持つことはかなり難しいということを理解しておきます。
(定期的に写真や動画を共有するのもいい方法です。) - ・発達課題に対する支援内容の共有
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「個別支援計画書」に記載している具体的な支援の内容について記載します。
詳細な部分の共有は電話や面談等を通じてお伝えするのが望ましいですが、「この子の今の支援のポイントはここだ」ということを連絡帳を通じて改めて意識してもらうことも重要なポイントです。
支援においては、ご家庭の協力なしには成り立ちませんのでしっかりと意識を持てるといいかと思います。 - ・課題の早期発見
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これまでにはなかった行動や、困りごとなどをタイムリーに共有します。
「課題の早期発見」と書きましたが、もちろん「できたこと、できるようになってきていること」の共有も含まれます。
例えば、「支援者に抱っこを求めることがかなり多かった」「無意識に首を曲げるような動作をすることが何度かあった」など、日々関わっている支援者にしかわからないような子どもの変化に気付きそれを正確に伝えるということが大事なポイントです。 - ・保護者との信頼関係の構築
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子どもの様子を細かく観察し、それを丁寧に伝えられると保護者からの信頼を得やすくなります。
「この先生はこの子のことをよく見てくれている」という実感が支援者への信頼につながり、さらには事業所への信頼につながっていきます。「こういう事を言っていました」という子どもが発した具体的な言葉を記載するのも良いかと思います。(良い面を捉えることが前提)
※「誰が連絡帳を書いたのか」ということは必ず伝わるような形式にしましょう。
連絡帳に書くべき内容
その他書くべき内容についてまとめます。
・怪我をした際の経緯と処置内容
・私物の紛失と事後の対応
・子どもが不安や不満を話してくれた際の内容
・他児とのトラブルの内容(ひどい言葉を言われた等)
これらの事柄に関しては、その重要度によってはまず電話等にて言葉で伝えることが優先されることがあります。
文面だけではこちらの意図が正確に伝わらないこともあるという前提で、伝える順序を間違えないようにしましょう。
連絡帳を書く際の注意点
目的と内容については共通の認識を持って書くことが望まれますが
「すべての児童に対して一律にそうあるべきか」というとそうではありません。
ここは少しシビアな話になりますが、児童相談所が関わっているケースや、親御さんがかなり厳しいご家庭に関しては、連絡帳の書き方にも調整が必要です。
例えば放デイで
「お友達とおもちゃの取り合いになったが、その後話し合って上手に貸し借りできていた」
ということが起きたとします。
これをそのまま連絡帳に書いた所、その子が家に帰ってから親から叱責されるという可能性が出てきます。
おもちゃの取り合いしたんでしょ!
何してるの!すぐに譲ってあげなさい!!
放デイでの子どもの行動としては、結果として上手に貸し借りできたので、認めてあげるべきポイントがあるのですが、それよりも「おもちゃを取り合った」ということに注目してしまうご家庭もあります。
連絡帳の内容や書き方を調整しつつ、ペアトレ等で保護者さんの理解を得ていくという別の動きが必要です。
連絡帳の内容を調整することに関しては、当然、自事業所だけの判断だけでは決められませんので、相談員さんや担当のワーカーさんまたは学校等と相談しましょう。
連絡帳にはその子ができたことを共有して、
小さなトラブルに関しては、支援者側だけで共有をしておきましょう
というように、ご家庭の様子についても理解をしながら「子どものためにより良い方法」を取れるように注意が必要かなと思っています。
まとめ
連絡帳の書き方について考えました。
保護者さんとの共有の仕方ですが、デジタル媒体または紙媒体どちらを取り入れているでしょうか。
個人的にはデジタル化をお勧めします。保護者さんもスマホをお持ちの方が大半でしょうし、支援記録や実績記録も含めデジタル化しているとやり取りがかなりスムーズになるのではないかなと思います。
手書きの連絡帳を使用している事業所さんもあるかと思います。
当然それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、「支援の質を高めるにはどうすべきか」を総合的に判断するということが望まれます。
ずっとこのやり方だから中々変えにくい
という意見もあるかも知れませんが、より良い方法があるのであれば改善するべきでしょう。
連絡帳の書き方としては個人のスキルも問われますが、どの職員が書いても一定以上のクオリティが保てるようにする必要があります。
という2つのポイントを職員間で共通認識を持てるといいかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!