今回は、支援における「環境作り」について考えます。
インクルーシブやダイバーシティという言葉をたくさん聞くようになりましたが
裏を返せば「今はまだ実現できていない社会である」ということだと思います。
それでは一緒に考えていきましょう!!
環境作りとは「生きづらさを解消する」視点
支援の場では、「環境作り」という言葉がよく出ます。
これは支援のキーワードとも言える重要な言葉です。
では、「環境作り」とは具体的に何を意味するのでしょうか。
それはつまり

「その子が過ごしやすくなる方法を考え、それを作る」
ということです。
ではなぜ「その子にとっての過ごしやすさ」を考えるのでしょうか。
それは、「その子が過ごしている環境(=社会)が今の状態では、生きづらさがある」という現状があるからだと思います。
環境を整えることで、その子が抱える生きづらさ(=社会側の課題)を解消し、本来持っている力を発揮して、健やかに成長するための土台を作っていくことが重要です。
環境の大切さを「植物」に例えて考える
この「環境の大切さ」を理解するために、植物の成長に例えて考えてみましょう。
例えば、寒さには強いが、暑さには弱いという性質を持つ植物があるとします。
- この植物を、その性質に合った厳しい寒さの環境で育てる場合、植物はスクスクと育つことができます。そして、ある程度根を張ることで、多少の暑さや、台風が来てもそう簡単には枯れることはありません。困難を乗り越えられる強さを身につけることができるのです。
- しかし、この植物を、その性質に合わない厳しい暑さの環境で育てるとなると、スクスク育てるためにはかなり難しさがあります。しっかりと根を張る前に、暑さに負けて枯れてしまう可能性が高いでしょう。


子どもにとっての「過ごしやすい環境」とは
子どもの成長も、植物の例と同じことが言えるのではないかなと思っています。
その子が過ごしやすい環境を整えてあげることで、まず安心して力を蓄え、次の成長のステップへと進む手助けをすることができます。
もちろん、環境作りには現実的な難しさもあります。
家庭や学校、社会といった、例えば「ものすごく暑い場所」を、すぐに「寒い場所」に全体を変えることはできません。しかし、「小さな部屋を用意して、その部屋だけ少し寒くする」というような工夫はできるかもしれません。
安心という土台が子どもを強くする
こうした環境作りは何のためにするのかというのは、ひとえに子どもの未来のためです。
まずは安心して、その子らしく過ごせる環境があるからこそ、子どもは成長できます。
そして、成長してしっかりと根を張っていくにつれて、外の世界で直面するある程度の困難さにも負けない強さを身につけていけるのだろうと考えています。
それは、その子本来の力を最大限に引き出し、未来の困難にしっかりと立ち向かう力を育むための土台作りなんだろうなと考えています。
「環境作り」は甘やかしではない
「その子が過ごしやすい環境を整えてあげるのは単なる甘やかしじゃないのか?」と言う疑問を投げかけられたことがあるので、その点についても例文を交えながら説明したいと思います!
1. 目的の違いを伝える:ゴールは「自立」
「甘やかし」は、その場の子どもの不快感や要求を一時的に取り除くことが主目的になりがちです。
一方で「環境作り」の最終目的は、自立と成長です。



「環境を整えると言うことは、決して『ずっと楽をさせるため』のものではありません。
むしろ、今はまだ根っこを張る時期なので、まず安心して根を張れる土壌を用意しているのです。
その土台さえできれば、いずれは厳しい環境でも自力で立ち、自立して生きていくための強さを身につけてくれると信じています。」



「植物の例で言えば、『環境作り』は、その植物が最も必要とする最適な土壌や温度を用意することです。これにより植物は自ら水を求めて丈夫な根を張っていくことができます。
これに対し、『甘やかし』は、根を張る必要がないほど毎日大量の水をやり続けるようなものです。
それでは、一時的に楽かもしれませんが、根は弱くなり、結局小さな風雨にも耐えられない、打たれ弱い植物になってしまいます。」
2. 「成長のステップ」として捉えてもらう
環境作りは、困難を「回避」するためではなく、子どもが困難に「立ち向かえるように準備」するための段階的なステップです。



「環境作りは、その子が感じる10の困難を0にするためではなく、10の困難をまずは2や3に軽減し、そこで得た成功体験と自信を土台に、次の大きな困難に立ち向かう力(根)を育てるためのものです。環境作りは、そうした生きる力を育てるための方法です。」
まとめ
今回は「環境作り」について考えました。
安心して過ごすために
などといった環境が必要な必要な子がいます。
私自身も訪問支援で小学校へ行くこともありますが
先生方の業務の多さや、単純な人員不足というのも課題として感じることがあります。
福祉の側から何か力になれることはないかを先生方にも相談しながら
ご家族とも同じ方向を向いてその子を支えるということができればいいなと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました!!



