社会の変化に伴って「子どもの居場所」の多様化やその重要性について語られることも多くなってきました。
こと放デイに関しては
放デイは預かり施設じゃない!
プログラムも提供しないでただ預かるだけなんて、儲けようとしているだけじゃないか!
という意見を目にしたので
今回は「居場所」としての放デイの役割について考えていきたいと思います。
(当然ですが、なんの支援もせず支援計画も形だけ立てているような運営方法には大反対です)
一緒に考えていきましょう!!
基本的な3つの役割 ガイドラインより
放課後等デイサービスの基本的な役割としてガイドラインでは次の3つが示されています。
また〈こども施策の基本理念〉中における【子どもの最善の利益の保障】については以下の通り
【子どもの最善の利益の保障】
全てのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。
- 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。(原文のまま抜粋)
引用:子ども家庭庁 放課後等デイサービス ガイドライン
『個々の子どもの状況に応じた発達支援を行う』ことが求められており
その先に『子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図る』ことが役割として示されています。
子どもの最善の利益の保障とは何か
では「子どもの最善の利益の保障」とは何なのでしょうか?
簡単に言い換えるならば
子どもにとって一番プラスになることをしましょう
ということでしょう。
「一番プラスになること」は子ども個人個人で違うので、
そのケースごとで考える必要があります。
など、今その子にとって必要な支援は何かを考えた結果
家庭と学校以外での居場所としての役割を放デイに強く求められるケースもあるでしょう。
子どもの居場所の重要性については、子ども家庭庁でも指針が示されており
障害を持つ児童にとっての居場所として「放課後等デイサービス」があるということも以下の報告書に記載されています。
リンク→ 子ども家庭庁 こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書概要
居場所とは何か
子どもの居場所について、こちらも子ども家庭庁で示されています。
- こども・若者が過ごす場所・時間・人との関係性全てが、こども・若者にとっての居場所になり得る。物理的な「場」だけでなく、遊びや体験活動、オンライン空間といった多様な形態をとり得るものである。
- その場や対象を居場所と感じるかどうかは、こども・若者本人が決めることであり、そこに行くかどうか、どう過ごすか、その場をどのようにしていきたいかなど、こども・若者が自ら決め、行動する姿勢など、こども・若者の主体性を大切にすることが求められる。
- 居場所の特徴として、多くのこどもにとって、学校が居場所になっていること、個人的なもので変わりやすく、地域性や目的、人との関係性などに影響を受けるものである。
(子ども家庭庁 「子どもの居場所作りに関する指針」より一部抜粋)
私の個人的な見解としての居場所論は以下の通りです。
この3つをクリアすることが居場所と言えるのではないかと考えています。
家庭や学校が居場所となっている子もいるでしょうし、そうでない子もいるでしょう。
ただ放デイとしては、最低限「居場所」としての役割は果たさないといけないと思っています。
この最低限をクリアしながら、発達支援をするということを大事にしていきたいです。
まとめ
今回は放デイが担う「子どもの居場所」の役割について考えてきました。
不登校児の支援も大きな課題となっている放デイですが
やはり大切なことは「より個別化したニーズに応える」ことだと思います。
将来を見据えて、その子がその子らしく幸せに生きていくために
「今必要なことを支援する」ということを常に念頭におきながら支援を組み立てられるといいなと思っています。
周りとの差や違いに傷ついてしまった子には、自分らしさを認めてもらえる人や場所が必要でしょうし、学びたいのに学べない状況にある子には、学びやすい環境を提供してあげることが必要になります。
どんな子にも、どんな人にも「居場所」は必要ですが、障害があることによって居場所を得られにくい現状はあるかと思います。
放デイは小学校から高校まで利用できるサービスであることからも、切れ目のない支援が提供できるとても大切な場所です。
皆さんは「居場所」についてどうお考えですか?
最後までお読みいただきありがとうございました!