解説【関係機関連携加算・事業所間連携加算】放課後等デイサービス

今回は放デイの関係機関連携加算と事業所間連携加算についてご説明します。
こども家庭庁から出ているQ&Aも参考にしながら見ていきますのでよろしくお願いします。

目次

関係機関連携加算

加算要件

関係機関連携加算はその「情報連携の内容」や「連携の対象」によって1〜4の算定区分があります。

関係機関連携加算

(Ⅰ)保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成等した場合
(Ⅱ)保育所や学校等との会議等により情報連携を行った場合
(Ⅲ)児童相談所、医療機関等との会議等により情報連携を行った場合
(Ⅳ)就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係) 改定事項の概要より抜粋

【主な要件】
あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得る

・関係機関との日常的な連携体制の確保に努める

[加算(Ⅰ)]
保育所や学校等との個別支援計画の作成又は見直しに関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成等する

[加算(Ⅱ)]
保育所や学校等と児童の心身の状況や生活環境等の情報共有のための会議を開催又は参加し、情報共有・連絡調整を行う

[加算(Ⅲ)]
児童相談所、こども家庭センター、医療機関等と、情報共有のための会議を開催又は参加し、情報共有・連絡調整を行う

[加算(IV)]
就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整・相談援助を行うこと

加算単位数

関係機関連携加算

(Ⅰ)250単位/月1回を限度
(Ⅱ)200単位/月1回を限度
(Ⅲ)150単位/月1回を限度
(Ⅳ)200単位/1回を限度

算定に際しての注意点

報酬改定に際しての改定時のポイントやQ&Aから注意点を抜粋・要約しております。
詳細はこども家庭庁のHPをご覧ください。
(参照Q &A:Vol 1問34〜36、Vol 2問3)
リンク→こども家庭庁HP 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について

会議についての記録を行う

・会議についてはオンラインの活用も可能

加算(Ⅰ)と加算(Ⅱ)の同一月の算定は不可

加算(Ⅲ)について、個別サポート加算(Ⅱ)(要保護・要支援児童への支援の評価)を算定している場合には、同加算で求める児童相談所等との情報連携に対しては算定しない

多機能型事業所の場合、同一の児童に係る関係機関連携加算の算定は各サービスで合わせて月1回までとする

電話による情報交換のみをもって算定することは不可
(会議の開催又は参加による情報連携を基礎として評価を行う)

・地域の課題を検討するための一事例として議論する会議については算定することは不可

・(Ⅲ)は、(I)又は(II)と同一月に、それぞれ 1 回ずつ、 算定することが可
(なお、(I)又は(Ⅱ)と、(Ⅲ)の会議参加者が同一の場合においては算定できない)

障害児相談支援事業所が主催するサ ービス担当者会議への参加の場合には算定不可

・(Ⅲ)の「その他の関係機関等」には保健所、保健センターなどが想定される。

事業所間連携加算

加算要件

事業所間連携加算においては、「コア連携事業所」と「それ以外の事業所」という分け方で連携時の加算要件が違います。またコア連携事業所については基本的には市町村から事業所に依頼をするという流れになっています
本来なら相談支援事業所による適切なコーディネートが必要であるが「セルフプラン」でサービスを利用している家族がまだまだ多いという状況を踏まえた対応となっています。

リンク(こども家庭庁)↓
「事業所間連携加算の創設と取扱いについて・PDF」
「事業所間連携加算の手続等の流れ・PDF」
「事業所間連携加算確認書」(Excel/22KB)

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係) 改定事項の概要より抜粋

【主な要件】
〈事業所間連携加算(Ⅰ)〉
※連携・取組の中心となるコア連携事業所を評価するもの

市町村から事業所間の連携を実施するよう依頼を受けた事業所(コア連携事業所)であること

・児が利用する他の事業所との間で、児に係る支援の実施状況、心身の状況、生活環境等の情報共有・支援の連携のための会議を開催する
(※会議はオンラインの活用を可とする。全ての事業所の参加を基本とするが、やむを得ない場合の算定も認める)

会議の内容及び整理された児の状況や支援に関する要点について、他の事業所、市町村、保護者に共有する

市町村に、児に係る各事業所の個別支援計画を共有する

・障害児・家族の状況等を踏まえて、急ぎの障害児相談支援の利用の必要性の要否を報告する

保護者に対して、上記の情報を踏まえた相談援助を行うこと
(この場合に家庭連携加算を算定することも可能とする)


・上記の情報について、事業所の従事者に情報共有を行うとともに、必要に応じて個別支援計画を見直す


〈事業所間連携加算(Ⅱ)〉
コア連携事業所以外の事業所を評価するもの

・コア連携事業所が開催する会議に参加するとともに、個別支援計画をコア連携事業所に共有すること
(※会議の場に参加できない場合であっても、会議の前後に個別にコア連携事業所と情報共有等を行った場合には算定を可)

・上記の情報について、事業所の従業者に情報共有を行うとともに、必要に応じて個別支援計画を見直す

加算単位数

事業所間連携加算

(Ⅰ)コア連携事業所500単位/回(月1回を限度)
(Ⅱ)それ以外の事業所150単位/回(月1回を限度)

算定に際しての注意点

報酬改定に際しての改定時のポイントやQ&Aから注意点を抜粋・要約しております。
詳細はこども家庭庁のHPをご覧ください。
(参照Q &A:Vol1 問37)
リンク→こども家庭庁HP 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について

・セルフプランにより利用する事業所の全てが同一法人による運営の場合、事業所間連携加算は算定できない
(同 一法人運営の事業所が2、その他の法人による事業所が1の場合、同 一法人運営の事業所はそれぞれの事業所で事業所間連携加算(Ⅰ)と 同加算(Ⅱ)を算定できる

まとめ

関係機関連携加算と事業所間連携加算についてまとめました。

令和6年度の報酬改定前までの「関係機関連携加算」は「個別支援計画書の作成等における会議」が前提だったため保護者の方からの要望で小学校の先生方と連携会議を開いた場合でも算定できないと自治体から言われたこともありました。その辺りの改善がなされたのかなと思います。

また「事業所間連携加算」はあくまでも事業所間の連携での加算の為、複数の事業所を利用しているセルフプランの児童の場合に算定することになりますが、市町村からの依頼を受けることが必要なため、その点も注意が必要です。

算定における解釈が各自治体で異なる場合があるため、迷った際には指定権者の自治体へお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

初めまして!
放課後等デイサービスで約3年間児発管をしていました。
現在は兵庫県阪神地区を拠点に研修講師等の活動をしています。
児発管業務の一助になる内容や、遊びのアイデア、支援の工夫などなど発信していきますのでどうぞよろしくお願いいたします!
より良い支援が提供できるよう一緒に考えていきたいと思っております。

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