今回は放デイの基本報酬と延長支援加算についてご説明します。
こども家庭庁から出ているQ&Aも参考にしながら見ていきますのでよろしくお願いします。
どちらに関しても算定時間の計画を「個別支援計画書別表」へ記載することが求められていますので、その注意点等も解説していきます。記載に不備があると返戻、行政指導など大きな損失になりうるためしっかりと理解を深めていけるように頑張りましょう。
別表の記入例はこちらから↓
「個別支援計画書別表記入例(こども家庭庁)」
(詳細に関しては以下のこども家庭庁の官報をご覧ください。)
※こども家庭庁へのリンク→「基本報酬・加算等に関する官報」
基本報酬
時間区分について
基本報酬は児童への支援の提供時間によって
という3つに分かれます。
重心の放デイについては「授業の終了後」「休業日」かの2つで基本報酬が異なります。
障害児に行う場合 定員10名以下
区分1 | 574単位 |
区分2 | 609単位 |
区分3 | 666単位 |
障害児に行う場合 定員11〜20名
区分1 | 382単位 |
区分2 | 406単位 |
区分3 | 443単位 |
障害児に行う場合 定員21名以上
区分1 | 287単位 |
区分2 | 305単位 |
区分3 | 343単位 |
重症心身障害児に行う場合
定員5〜7名
授業終了後 | 1771単位 |
休業日 | 2056単位 |
重症心身障害児に行う場合
定員8〜10名
授業終了後 | 1118単位 |
休業日 | 1229単位 |
重症心身障害児に行う場合
定員11名〜
授業終了後 | 692単位 |
休業日 | 817単位 |
放デイの支援実施の形として、「個別型」と「集団型」に大きく分かれているのではないかなと考えます。
(関連記事→個別型と集団型について)
長時間の利用を想定している集団型にとっては、基本報酬に合わせて延長支援加算も算定するという形になるかと思います。延長支援加算については後述します。
提供時間の計画について 個別支援計画書(別表)への記載
サービス提供において、その児童ごとに「支援の提供時間の計画」を個別支援計画書別表へ記載することとなっています。
この計画をもとに請求時に算定する区分が決まりますので、想定される利用時間のパターンを全て計画書に記載することが望ましいです。延長支援加算においても記載することになっていますのでご注意ください。
・固定利用に関してはそのまま想定の時間を記載する
・「送迎時間」は含まれないため、その時間を除いた提供時間を記入する
・短縮授業日や参観日、代休等のイレギュラーな利用についても、出来うる限り詳細に計画を記載する
(特記欄を活用するか、「短縮授業日欄」を設ける等作り変えても可)
・スポット利用に関してもその旨を記載する
基本報酬に関しての注意点
先ほども書きましたが、とにかく「想定されるパターンは計画書に記載しておく」ということが大事になるかと思います。
報酬改定に際しての改定時のポイントやQ&Aから注意点を抜粋・要約しております。
詳細はこども家庭庁のHPをご覧ください。
(参照Q &A:Vol1 問1〜7、Vol2 問1)
リンク→こども家庭庁HP 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について
・同一日に複数の事業所から算定することはできない
(同じ日の午前にA事業所、午後からB事業所の利用は不可)
・送迎時間は支援の提供時間に含まれない
・提供時間が定められていない利用に関しては全て「30分以上1時間30分以下」の時間区分での算定となる
・利用者都合で提供時間が短くなった場合は、計画通りの時間区分での算定が可
(事業所都合の場合は、実際の提供時間で算定)
・学校の授業が想定より延長した場合、道路渋滞での提供時間の遅れの場合等、事業所に起因しない事情で提供時間が短くなった場合は計画通りの時間区分での算定が可
・計画している提供時間と、実際の提供時間の乖離が恒常的に発生する場合は速やかに計画時間の変更を行う
・計画する提供時間は、実際に支援に要する具体的な時間を記入する
・30分未満の利用に関しては、その支援の必要性等を市町村と協議を行い、認められた場合にのみ個別支援計画書に定めた上で算定可とする
(その場合には「区分1」での算定となる)
・台風等悪天候時に、児童の安全を確保するため、事業所の判断で提供時間を変更し、個別支援計画に定める提供時間よりも、実際に支援に要した時間が短くなった場合には、計画に定める時間で算定できる
(悪天候の判断については、特別警報または各警報が発令されるような場合を想定)
延長支援加算
加算要件
【主な要件】
・支援時間が5時間(放デイ平日は3時間)である児を受け入れることとしていること
・運営規程に定められている営業時間が6時間以上であること(放デイ平日は除く)
・障害児本人の状態又は家族の事情、保育所等の子育て支援に係る一般施策での受入先が不足している等の延長支援が必要な理由を確認するとともに、あらかじめ保護者の同意を得ること
・上記の支援時間による支援の前後に、個別支援計画に位置付けて(※)延長支援(1時間以上)を行うこと
(※)支援が必要な理由、延長支援の時間
・延長支援を行う時間帯に職員を2(対象児が10人を超える場合は、2に10又はその端数を増すごとに1を加えて得た数)以上配置していること (うち1以上は基準により置くべき職員(児発管含む)とすること。医療的ケア児の場合には看護職員等を配置すること)
・延長支援を行った場合、実際に要した延長支援時間の記録を行うこと
加算単位数
延長支援加算・障害児に行う場合
30分〜1時間未満 | 61単位/1日 |
1時間〜2時間未満 | 92単位/1日 |
2時間〜 | 123単位/1日 |
延長支援加算・重症心身障害児に行う場合
30分〜1時間未満 | 128単位/1日 |
1時間〜2時間未満 | 192単位/1日 |
2時間〜 | 256単位/1日 |
算定に際しての注意点
報酬改定に際しての改定時のポイントやQ&Aから注意点を抜粋・要約しております。
詳細はこども家庭庁のHPをご覧ください。
(参照Q &A:Vol3 問1〜4、Vol6 問5〜6)
リンク→こども家庭庁HP 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について
・授業終了後の14:00~17:00 の3時間と17:00~18:00の1時間の延長支援を定めおり、利用者の都合等で開始時間が15:00〜と遅れた場合は、基本報酬、延長支援加算ともに計画に定められている時間を基準に算定可
・延長支援加算は、基本報酬が算定される支援が行われたことを前提として算定する
(9:00~11:00 を延長支援時間、11:00~17:00 を支援時間としていたが、10:45 に体調不良で急遽帰宅した場合は欠席時対応加算の算定は可能だが基本報酬、延長支援加算の算定は不可 )
・営業時間外においても延長支援加算は算定可
(9時〜16時が営業時間で8時〜9時に延長支援加算を算定できる)
・支援時間の前後1時間ずつ延長支援を実施した場合には、 実際に支援に要した時間を合計して2時間以上(123 単位)の区分で算定する
(利用者の都合により、前後の延長支援のうちどちらか又は両方の延長支援が1時間に満たない場合でも、30分以上の支援が行われていればそれぞれで合計ができる)
まとめ
基本報酬と延長支援加算についてまとめました。
利用の時間によっては「あと5分利用時間が長ければ一つ上の延長加算が取れる!」というような状況もあるかと思います。当たり前ですが請求に関しては正しい計画・時間で記録をしましょう!
長時間利用のデイでは基本報酬と延長支援加算はセットで取る形になりそうです。
かなり複雑なパターンが出てくることもあるだろうと思う内容です。算定における解釈が各自治体で異なる場合があるため、迷った際には指定権者の自治体へお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。