今回紹介するのは、段ボール箱に丸い穴を1つ開けるだけで作れる「ダンボール空気砲」です!!
準備するものは段ボール箱とガムテープなど身近なものだけなので、思い立ったときにすぐ取り入れられます。
箱を叩くと、穴から風の塊が飛び出して的を倒したり、箱の中に隠した匂いを感じ取ったりと、
『目には見えないけれど、たしかにそこにあるもの』を感じる場面をいくつも作れる遊びなので、今回はその点を中心に紹介していきます。
ぜひ遊んでみてください!
用意するもの
- 段ボール箱(面がしっかり閉じられるもの。ミカン箱くらいのサイズが扱いやすいです)
- ガムテープ
- カッターまたははさみ(穴を開ける用)
- 的にするもの(ペットボトル、紙コップ、新聞紙を丸めたボールなど)
特別な道具は必要なく、事業所にあるものだけで揃うのも、この遊びの手軽さかなと思います。
作り方
- 段ボール箱のフタになる面を、ガムテープでしっかり閉じます
- 箱の一面のまんなかあたりに、直径10cmほどの丸い穴をカッターで開けます(刃物を使う工程なので、その子の発達段階に応じて、スタッフが行うか、見守りながら一緒に行うか判断してください)
- 穴のふちや、箱の他の隙間をガムテープで補強します
これで「ダンボール空気砲」の完成です。
穴が開いている面を正面にして、その左右の側面を両手でパンと勢いよく挟むように叩くと、穴から風の塊が飛び出します。
目安の時間・対象年齢
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 制作時間 | 10〜15分程度(スタッフによる事前準備を含む) |
| 遊びの時間 | 10〜20分程度 |
| 対象年齢 | 未就学児〜小学校高学年程度 |
| 人数 | 1人〜4人程度の小グループ |
ねらい
この遊びで一番伝えたいのは、目には見えないけれど、たしかにそこにあるものを感じる、という体験です。
空気は目に見えません。でも、箱を叩くとたしかに風が飛び出して、的を倒します。
体で感じたことは、頭で説明されるより実感として残りやすいなと感じます。
この「見えないけど、ある」という感覚は、実は人との関わりにもそのまま置き換えられるかなと思います。人の気持ちも、姿や形は見えません。でも、その人の中にはたしかに気持ちがあります。
相手の表情や声のトーンから気持ちを読み取ることが苦手な子や、目に見えない抽象的な概念の理解が難しい子にとって、「見えないけど、ある」を体で感じるこの遊びの経験が、気持ちを想像する一歩の助けになれば良いなと思っています。
遊び方・発展アレンジ
基本の遊び方:的当て
作った空気砲を的に向けて、両側面を叩いて風を飛ばします。ペットボトルや紙コップを積み上げて的にすると、倒れたときの達成感がわかりやすいです。
発展1:風はどこまで届く?
的の位置を少しずつ遠くしていき、「どのくらい離れても風が届くか」を子どもたちと一緒に試してみましょう。届く・届かないの結果を先に大人が決めず、実際にやってみて確かめる、という体験自体を大事にしたい場面です。
発展2:穴の大きさや箱の大きさを変えてみる
慣れてきたら、穴のサイズを変えた箱をいくつか用意してみるのもおすすめです。
穴の大きさは子どもたち自身で考えてもいいです。いろんなサイズの輪っか状のものを用意しておくと遊びやすいです。
例:トイレットペーパーの芯、セロハンテープの芯、ビニールテープの芯など
大きい穴と小さい穴、どちらが勢いよく飛ぶでしょうか。箱の大きさを変えると、風の強さはどう変わるでしょうか。
段ボールの厚みや穴の開け方によっても風の勢いは変わってくるので、ここではあえて答えを決めていません。
ぜひ子どもたちと一緒に試して、自分たちなりの答えを見つけてみてください。
発展3:匂いあてゲーム
段ボール空気砲の中に、匂いのあるものを入れて、空気砲を発射して匂いを嗅ぎ、何が入っているかを当てるゲームです。
用意する匂いの例
- りんご、みかん、はっさくなどの果物
- 長ねぎ、玉ねぎ
- チョコレート、カレー粉、味噌
- バニラエッセンス
- 油粘土、歯磨き粉、コーヒー、石けん
香りが強いものの方が当てやすいですが、香りが弱いものでも敏感に感じ取れる子もいるので、いくつか強弱を混ぜて用意すると、子どもそれぞれの得意・不得意も見えてきて面白いかなと思います。
複数の匂いを用意する場合は、空気砲を複数個作っておき、1箱に1つの匂いを入れて順番に回すと準備がしやすいです。
進め方
1人ずつ順番に嗅いで当てる方法でも、みんなで一斉に嗅いで当てる方法でも、どちらでも楽しめます。現場の状況に合わせて選んでいただければと思います。
みんなで一斉に行う場合は、わかった子から支援者にこっそり耳打ちしてもらう進め方がおすすめです。声に出して答えてしまうと、まだわかっていない子の楽しみを奪ってしまうことがあるためです。
ポイント
- 材料は段ボール箱とガムテープなど身近なものだけ
- 穴を開ける工程は刃物を使うため、その子に応じてスタッフが行うか一緒に行うか判断する
- 「見えないけど、ある」を体で感じる遊び。感情理解の難しさへの橋渡しにもつながる視点
- 匂いあてゲームの素材は誤飲・アレルギーに注意し、スタッフが目の届く範囲で
- みんなで匂いあてをするときは「こっそり耳打ち」の進め方が安心
配慮のポイント
【素材の扱いには十分注意する】
匂いあてゲームで使う素材の中には、口に入れると危険なものやアレルギーの心配があるものも含まれます(玉ねぎ、チョコレートなど)。
誤って口に入れることのないよう、スタッフが目の届く範囲で行い、素材そのものに直接触れさせず、箱越しに匂いだけを感じてもらう形で進めることをおすすめします。アレルギーが心配な素材は、あらかじめ避けるか、他の素材に置き換えてください。食品を使う場合は、使用後は早めに処分し、繰り返し使う場合は箱を清潔に保つようにしてください。
【答えを言われてしまうのが嫌な子がいる】
匂いあてゲームをみんなで一斉に行う場合、先に答えを言われてしまうと、まだわかっていない子ががっかりしてしまうことがあります。「わかった人は手を挙げて、そっと先生に教えてね」のように事前に伝えておくと、進めやすいかなと思います。
まとめ
段ボール空気砲は、材料も手順もシンプルですが、「風」「匂い」という目に見えない存在を通して、子どもたちと一緒に試行錯誤できる遊びだなと思います。
同じ空気砲でも、的当てで盛り上がる子もいれば、匂いあてでじっくり集中する子もいます。その子がどんな感覚に興味を持つかを見つけるきっかけとしても、活用していただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!



